2005年12月7日水曜日

生きている英語-----December 7th, 2005

いずれ書こう、書こうと思っていたことがあります。

モーニングルーティーンの一つに、「その日の課業の確認」という作業があります。子どもたちは先生と一緒に、カードを使いながら、アルファベットからランチまでを順を追って確認していきます。そしてそれらのカードは、そのまま教室のコルクボードに貼り付けられます。

子どもたちは、一つの課業が終了し、"What' s next?"、"what time is it?"((次は)何の時間?)と先生が尋ねる度に、その都度コルクボードの前に戻って次の行動を確認します。

見通しを持った生活を送ることができるようになることをねらった活動です。

朝、先生がカードをボードに貼り始めると、子どもたちは決まって、

"Be careful, Lynette !!"

と、声を掛けるのです。

不思議に思い、先生に「どうして?」と尋ねると、ある時、先生がカードをピンで押す時に、誤ってご自分の指を刺してしまったそうです。その時は声も出さなかったそうですが、子どもたちは、その先生の様子を後ろからずっと眺めていたのです。

そして次の日、誰からともなくこの "Be careful, Lynette !!"が始まったそうです。

かれこれ2週間は経ちますが、今日も"Be careful"、"Thank you"という毎日変わらぬやり取りが続いています。

"Be careful"は、実際、クラスでは教えていない言葉です。ただ、私たちが生活の中で確かに時々使っている言葉ではあると思います。

このように子どもたちは、どこからともなく言葉を拾ってきては、ある日突然使い始めます。しかも非常に適切な場面で正しく使い始めます。

これはほとんど全ての子どもに与えられた才能です。この才能をたった一つの言語の習得のためにだけに使うのでは、なんだかもったいない、本当にそう思います。

そして、教えられ、言わせられるのではなく、自分で拾った言葉を適切な場面で自然に使う。そうしてこそ、まさに生きた英語を学んでいると言えると思います。英会話スクールではなかなか到達するのが難しい領域なのではないのでしょうか。