モーニング・ルーティーン-----May 12, 2006
いわゆる「朝のお集まり」にあたる活動です。アメリカやカナダのプリスクールでいう "Circle Time" と呼ばれる時間に相当します。
モーニング・ルーティーンでは、あいさつや出欠の確認の他、天気、曜日、日付などの確認、また一日の課業の流れの確認、そして基本的な動詞(simple verbs) の導入を行います。英語イマージョンでは、英語圏のプリスクールで行われる "Circle Time" のアイデアを元に、「英語で」学ぶというイマージョン教育の最も初歩的な活動として、このモーニング・ルーティーンを位置付けております。
すなわち、幼児期のこのモーニング・ルーティーンが、小学生のイマージョンスクールのプログラムの「はじめの一歩」となるわけです。
前年度からの進級生が半分以上を占めておりますから、開講当初からルーティーンは順調に進めることができています。新入園児さんも、昨年度の体験参加で、 少なくとも1度は経験済みの活動です。文字通り、毎日同じことの繰り返しですから、逆に、環境の変化や(母子分離による)分離不安で落ち着かない子どもた ちが、安心して活動できるひとときでもあります。
みんながそれぞれにクッション(座布団)をもらって輪になり、Good morning song からスタートします。お友だちからお友だちへ、次々に指名され、一人ひとりのために全員が歌を歌います。不安がっている子も、全員から名前を呼ばれ、歌っ てもらうと、ふうっと温かいものに包まれます。
"Check!!" というR.K.くんの掛け声で「お天気」が始まりました。
リネット先生が、コルクボード用のお天気カードの一つを指差して、"What's this?" と尋ねると、H.K.くん "It's くもり~!" 。(H.K.くんも名誉のために付け加えますが、 "It's cloudy." は、もちろん彼の知っているフレーズです。たまたま日本語と英語がごっちゃになって出てきたのでしょう。よくあることです。)教室に "It's sunny!"、"It's raining!" と、みんなの元気のよい大きな声が響きます。
今は、たったこれだけの、とても短いルーティーンです。今後、子どもたちの習得度を見ながら内容が増えていきます。
そのまま singing time に突入です。「今月の歌」を楽しんでいきます。スタートの月ですから、新しいものを導入するのではなく、慣れ親しんだ人気曲で楽しく歌い、踊ります。毎日 同じ曲を歌い、毎日同じ場所で笑う。大人の感覚では「飽きないのかな?」と思ってしまいますが、飽きないのがこの年齢の子どもたちです。そして、毎日同じ 場所で笑う子どもたちを見て、同じように笑う私がいます。
今日も朝からご機嫌のK.N.ちゃん。だんだん安定してきている様子にほっとひと安心です。「もう泣かないって決めたの」と頑張るS.S.ちゃん。お友だ ちの不安がうつってサメザメと泣いていたAちゃんも、もうすっかり元に戻っています。今、トイレが楽しくて意欲満々のR.K.くん。私の後追いが少なくな り、あそびに集中できる時間が長くなってきたH.U.くん。ちっちゃいけど誰よりエネルギッシュに体を動かすK.M.ちゃん。そのほか、どの子もどの子 も、活き活きとしてきました。
開講以来、毎日の課業を考えながら、「これでいいのか」と自問自答を繰り返してきました。涙をながし、お母さまを恋しがる子どもたちを抱きながら、「私たちは本当に正しい方向へ進んでいるか」と迷い、不安になる日もありました。
もちろん、これからも迷いや不安は付きまとうでしょうし、自問自答、試行錯誤の繰り返しが続くことでしょう。
でも今日は、朝のみんなの様子に、ちょっとだけ勇気をもらうことができました。とても嬉しく思います。