「トーチング・ハウス」???-----May 23, 2006
S.K.くん(3才)は、スクールを「学びの場」と意識して登園してきます。これはすなわち、日本語(母語)ではない「英語の習得」という目標設定がすで に彼自身の中にあるからです。自分が日本語を話しているのか、英語を話しているのかあまり意識せずに発話している下のクラスの2才児さんたちとはちょっと 様子が異なります。向上心が非常に強いので、新しい言葉の吸収に意欲的ですし、学んだ言葉は意識して使おうとします。
そんなS.K.くんですが、今朝のフリープレイタイムに、レゴブロックでなにやらかっこいい建物を制作中でした。
トレイシー先生が、"What are you making?" と尋ねると、S.K.くん「トーチング・ハウス!」と元気よく答えてくれました。
「トーチング・・・ハウス?」
お隣で聞いていたリネット先生も私も、頭の中に「?」が浮かび上がりました。「さて、『トーチング・ハウス』とはなんだろう?」と。
私たち3人がひとしきり考えている間にも、S.K.くんは非常に真剣な表情で「トーチング・ハウス」を繰り返します。私たちも、彼の真剣な訴えになんとか応えねばならぬと、必死で考えました。
「あ、分かった! "torch"(懐中電灯や松明)のことじゃないの? Torching house 、『灯台』って伝えたかったんじゃないかしら?」などと、私がこじつけを提案し、二人の先生も「なるほど、じゃあ "light house" のことだね」なんてS.K.くんに話しかけていました。
実は、これには後日談があります。その後お母さまと電話でお話させていただいている時、この「トーチング・ハウス」とは何だったのかお尋ねしました。する と、これは "Teaching House" のことだろう、とおっしゃいました。「ティーチングハウス」とは、S.K.くんお気に入りの家庭学習教材に登場するお家なのだそうです。
私がえらいな、と感心するのは、S.K.くんの「伝えようとする気持ち」です。
勿論このお年の幼児さんに「間違えたら恥ずかしい」という、日本人に典型的な発想はまだ少ないでしょう。しかし、誰もが持っている「伝えたい」気持ちを、 本当に「伝えよう」と努力するということは、みんながみんなできている訳ではありません。一度言って伝わらなかったら、「まあ、いいや」と諦めてしまう。
間違えても、何が何でも「伝えたい」、「分かってほしい」と思う、これが上達の第一歩です。大人も見習わなくては!と思わせる、S.K.くんの真摯な姿勢です。
C is for cat.
今日のワークシートは、ハサミを使っての作業でした。先生から正しい持ち方を教えてもらいながら、一人ひとり真剣な表情で、パチン、パチンと丁寧に毛糸を切っていきました。
ピンクのネコ、黄色のネコ、そしてむらさきのネコ。根気の要る作業でしたが、最後まで集中して完成させておりました。
一 方でトドラーさんは、トレイシー先生と、袋の中のくだものを当てるゲームで盛り上がっていました。本物そっくりのくだものに目を見張ります。H.K.くん はたくさんのくだものの名前をすでに知っていて、"banana!"、"strawberry!"、"orange!" といっぱい教えてくれました。
B.K.くんはオレンジをしっかり抱えて、「アー、アー」と、先生に向かってしきりにキッチンの方を指差します。「はやく台所から包丁持ってきて切ってよ~」と言っているようで笑ってしましました。この遊び、今週かけてゆっくり遊んで行く予定です。